診療案内

肝胆膵・移植外科

Treatment

合併症の少ない
高難度最先端医療の提供

肝胆膵疾患に対する手術は腹部手術の中でも高度技能手術と言われますが、過去の科学的根拠に基づいた医療・いわゆるEBM (evidence based medicine)、ならびに我々のこれまでの肝胆膵手術や肝移植手術で積み重ねてきた経験に基づき、それぞれの患者にとって最良と思われる手術を十分な説明・同意のもと、実践しております。
肝胆膵疾患の外科治療は、近年症例が特定施設に集中する傾向が見られます。日本肝胆膵外科学会では高難度の手術をより安全かつ確実に行うことができる外科医師を育てるために肝胆膵外科学会高度技能医制度が発足しましたが、当科は道内では札幌以外で唯一の高度技能医修練(A認定)施設(高度技能手術が年間50例以上)です。また、近年では患者の高齢化が進んでいますが、80歳以上の高齢者であっても積極的な外科治療を行い、良好な成績を残しています。
患者への負担を少なくする低侵襲手術も積極的に取り入れており、腹腔鏡による拡大視効果を最大限に活かした腹腔鏡下肝切除、膵切除により、入院期間も短縮し、術後の痛みも軽減することが可能となりました。さらには手術支援ロボット『ダヴィンチ』を導入し、ロボット補助下肝切除を行っています。開腹肝切除術、腹腔鏡下肝切除術の経験をもとに安全第一を心がけ、2015年に北海道初となるロボット補助下肝切除を施行して以来、肝臓疾患に対する一つのオプションとして積極的に行っております。
また、2019年より生体腎移植プログラムを開始し、道北地方唯一の移植施設としても機能しております。2024年からは献腎移植を手がけ、膵腎同時移植が可能となる脳死膵移植施設として認可されるよう活動中です。

腹腔鏡下肝切除 手術支援
ロボット「ダヴィンチ」

Data

手術件数

当科の年度別総手術件数ですが、近年は200件台と、過去に比べ増加傾向にあります。

年度別の肝切除件数については、60-70件で推移しており、現在のところ腹腔鏡での治療が全体の30%を占めております。2023年よりロボット支援下肝切除を導入しており、今後増加することが見込まれます。

肝切除の原因疾患について示します。
割合の多いものはHBV:B型肝炎による肝がん、HCV:C型肝炎による肝がん、HCCその他:B型肝炎・C型肝炎以外の発がん理由による肝がん、CRLM:大腸がんの肝転移です。

北海道では、昔からB型肝炎による肝がん症例が多かったのですが、近年は減少傾向です。
C型肝炎による肝がん症例もC型肝炎治療の発展に伴い、近年は減少傾向です。
近年の傾向としてはB型肝炎やC型肝炎以外の発がん理由による肝がんが増えてきております。
大腸がんの肝転移切除は以前と比べ、近年では増加傾向となっております。

年度別の膵切除件数については、徐々に増加しており40-50件で推移しています。腹腔鏡手術はDP(膵体尾部切除)に対して行っておりますが、腹腔鏡での治療は全体の10%です。2024年6月よりロボット支援下膵体尾部切除を導入開始しており、今後増加することが見込まれます。

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